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Title. Double click me.

サンゴとマングローブ

 

生物が環境をつくる
南の自然への憧れを誘うこの美しい生態系?

 

南の海といえばサンゴ礁とマングローブ林、この豊かな自然は将来も維持されるのか? サンゴ礁も

マングローブ林も、動植物自らが新たな環境を生み出すことによつてたくさんの生物が生息している。生物どうしの関係が複雑にからみあうその生態系は、もろさとたくましさを合わせ持つている。南の自然の仕組

みと、迫る危機を皆で考えよう。

なぜサンゴなのか?

ランカウイ マングローブ クルーズ

 世界のマングローブ森。

 

サンゴは、浅くて暖かい海に棲む石灰質の骨格を持つ生物で、その骨格が積み重なつて作られる地形がサンゴ礁である。サンゴもサンゴ礁も、多くの人にとって観光やダイビングで訪れる以外になじみは薄いだろう。少なからぬ人が、サンゴ礁を作るサンゴと、宝石のサンゴとを混同している。

 

サンゴ・サンゴ礁は、南北に長い日本列島を特徴づける生物、地形である。日本からさらに南を眺めると、熱帯・亜熱帯にサンゴ礁海岸がつらなつているのが見えるはずである。そして、それらは海岸の開発と、海面上昇や地球温暖化など地球環境変動との両方によつて破壊される危機にある。この美しい生態系は今どんな健康状態にあって、それを守る為の処方箋をどのように伝えられるかを模索しながら生態系ツアーを主催している。

 

サンゴとマングローブは共に熱帯・亜熱帯の海岸でセツトになつて見られる。どちらもある特定の生物というよりは、生態系として自ら地形を作って環境を創生すること、海岸開発や海面上昇で破壊の危機にあることなど共通点が多い。そして、最近やっとこの両者がさまざまに関係している事が判明してきた。

 

 

 

 

なぜマングローブなのか?

私が考える日本列島のイメージは地球の中の漸移帯だが、中緯度付近に位置し、南北 2000キロもの細長い国土を持つ。この国土は寒冷化 ・温暖化という地球環境変動の中で、中部山岳が水河に覆われたり、千葉県辺りまでがサンゴ礁に囲まれたりといったダイナミックな変動をこうむってきた。日本列島は熱帯と寒帯の架け橋のような位置にある。

 

マングローブはマレ―シアやニユーギニアのような、いわばコアのような地域から分布を広げて鹿児島までたどりついた植物群である。サンゴ礁やマングローブの森に接するとき、そこで人は必ず南の世界へと通じる広がりをイメージする。南の世界と日本の関係は、マングローブの世界でも現代化している。いわゆる養殖エビや南洋備長炭など熱帯産品の日本における享受とその陰で進む熱帯の環境破壊である。

 

マングローブは自然界の中で持つ痛快さ、不思議さそして、人間とのつながりをも持つ、陸から海に足場を広げた特殊な植物群である。そして、サンゴとは切つても切れない生態系 「プランクトンを作る者、それを捕食する者」 で共存共栄を計り環境破壊に対抗してしいる。地球上では熱帯雨林面積に比較しても、非常に少ない面積だけに生息するが、海と森の二つの生態系を持つこの植物の生産性は地球温暖化防止を鑑みても無くてはならない優れ者である。

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